基礎篇(2):軽拘束モデルのプロセス(線の立体化)

図7)底面の線とセンター断面線をトレースする

 基準平面定義によってスケッチの視点が決定し、そのアングルとサイズが決定したboxの底面にはスケッチの平面線が描かれ、センター断面には側面線が描かれているのでこれをトレースして底面とセンター断面に置けば立体化出来ます。

 (上の動画が底面、下が側面の様子を撮っています)

図8)前半のショルダーラインを立体化する

 前半のショルダー(キャラクター)ラインはタンク(戦車)のキャタピラーのように上下動の大きなモーションを持った線なので、「ひとつの平面」に乗せた方がスムーズに見えるだろうとの考えからご覧のような工夫をしてみました。左右形状の一致は次のステップで何処まで可能か試してみます。

図9)前半のショルダーラインを左右で形状一致させる

 前のステップでボディ左側の肩線は立体化されているのですが、右側のスケッチと一致しているのかどうか分かりません。スケッチですからピッタリ一致することは難しいでしょうが、左右相俟って表現されている“ニュアンス”は未だ確認されていませんので出来る限り一致するように試みてみます。

 黄色の線が左右からサーチライトのように出てきますが、これは視点と前ステップで作成した上面(ルーフ側)の線との間に張られたタブシル面を表しています。この面上を左側(手前側)の線を右側(奥側)へ移動し、スケッチの形状と一致させようという訳です。比較的良く一致したので(スケッチが案外正確)前端の斜めキャラクター線をその端点に一致させました。

注)これと異なる方法については「スケッチ特有の作り方」の章をご覧下さい。

図10)後半の線が乗る作図面を作る

 後半のショルダーラインはフネ(船)のデッキのような平面モーションを持っていますので、上下動の少ない作図面(投影面)をつくり、その上にキャラクター線が乗るように考えます。他にも考え方はあるハズですので、こうでなければならないと言う訳ではありません。

図11)後半の線3D化と前半の3D線を繋ぐ

 後半のショルダーラインの作り方は、トレースして投影するだけですから到って平凡な作業ですが、前半と後半を曲率変化連続(G3)に繋ぐところはチョット圧巻じゃありませんか?以上で線の立体化は終了です。次からは曲面の作成に入りますが、「基礎篇(3):軽拘束モデルのプロセス(曲面の造形)」をご覧下さい。

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